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ラピスラズリ

読むのにやたらと時間がかかった。一編ごと、ワンセンテンスごとに認識を揺さぶるモザイクノベル。ちょっとヌーヴォーロマン的なんで馴染めないかなと思ったんですが、文章を咀嚼することが快楽とも苦痛とも言えない領域まで連れていかれました。小説を読んだ気がしない。形態が文章の中で宙吊りになってるような感覚。こういう感覚を味あわせるのがいわゆる超絶技巧というのだろうか。文章は魔術。

クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 (講談社ノベルス)

なぜ西尾維新は意味なくキャラを殺すのか。萌えるよ。でも殺しちゃダメ。空虚だなあ。つうか退廃。悪い意味で。何も描こうとしてないから当たり前か。あとがきでもこれは何もない小説ですみたいなこと言ってるし。まだ戯言の魅力は伝わってこないです。ぱにぽにだっしゅ！が示した楽園の義務とも繋がりそうですけど、どうなんでしょ。最初の３冊だけだといーちゃんのトラウマが何らかの意匠とループしてるだけだな。どうやって収束してるのか楽しみです。残酷な楽園で何を見るのか。でもいーちゃんの見る世界は残酷だけど世界から拒絶はされてないのです。それに気付いてないっぽいから微笑ましくもあり羨ましくもある。前の葵井といい今回の子荻といい、一番萌えたキャラは死ぬ仕様。