世界観を背負えるボーカルっていうのはこういうことか

FAITH(初回生産限定盤)(DVD付)

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ごく一部で話題のこれ。中古だけど。
普通に傑作なのでびっくりです。バランスもいいし密度もある。文句つけるなら後半にもう一曲くらい必殺曲が欲しいかもしれん。でもラルクがああいう音楽でソロがこういうのっていうのはどうなんでしょ。ロックバンドにおけるケミストリーというのを疑いたくなるな。
世界を変えるにはこの世のすべてを焼き尽くすしか方法はありませんが、もちろんそんなことは不可能なので破滅と破壊の中で愛と革命を歌います。たいていの芸術はこれと似たような考え方に還元できると思っているドキュンな俺ですが、これはそういった恥ずかしさをハイクオリティなロックンロールに昇華させた高度な達成であると断言します。音楽に関してはまさにど素人のくせに。
楽曲の身体性とか音楽的な文脈を楽しみたい人はたぶん聴かなくてもいいアルバムです。そういう聴き方にも充分耐えられるんだけど、むしろ音楽を聴くときに物語とか風景を二次創作しちゃう人向け。1曲目の解像度がすさまじいのでそっから入り込めたら勝ち。物語、風景、身体性の弁証法的な聴き方が正しいかと。冷たい色気がムンムンと薫るグランジ?ジャンルはよく分からん。