冲方丁

オイレンシュピーゲル肆 Wag The Dog (角川スニーカー文庫)

ウブの小説技巧、というよりも小説的身体能力って底なしだなあ。
スプライトと同時多発の４巻目、シリーズ最初のクライマックスっぷりが最高でした。ちょっと突き抜けたね、これは。マルドゥックとかばいアスみたいなある種の生真面目さに縛られた感じがないので作者が正しく暴走できている気がします。押井、シロマサ経由のガジェットを完璧に使いこなしてライトノベライズ。むしろ中二になった押井とシロマサ。SF版モンハン？みたいな異能バトルやらキャラクターの因縁やら葛藤やらいちいちカッコよくてすさまじいアマルガム具合。めちゃくちゃスタイリッシュなのにどこかボンクラっぽい。スプライトとともに会心の一撃をくらった気分。おいしゅうございました。