私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)

私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)

オッサン的なるものを理解するためにハードボイルドの名作を手に取る。この世界のルールに従わない困ったちゃん。なんか真っ当な分セカイ系よりハードコアw。首相の自宅まで行こうとした人たちの逮捕劇をブルーバードの運転席から見てみよう。もうハードボイルドは不可能になってしまつた。
正直どこがいいのかまったくわかんなかった。名作とか言われてるんだからもっとひっかかるところあるかと思ったけど。他人への欲望が感じられないというか去勢された人なのかなー。オタというかエロゲギャルゲとは正反対の作風で積極的に他人をどうこうしようという意志を昔は持っていたけど失った、みたいなナルシシズムが徹底されていてそこはすごくてそれこそが名作扱いされてる所以なのかなと思わないでもないけど。ハードボイルドってある意味ではメタっぽいというか出来事そのものの騒乱とは別のポジションから出来事に関われるのでなんかクールなオッサンがイヤミ言いながら勝手に話進めてんぞオイ、というのが俺のハードボイルド観なのだが村上春樹とかもチャンドラー経由らしいのでまあ間違ってはないだろう。そう考えると春樹ってひっでーなーと。もうちょい沢崎見習えw。でもハードボイルドはひょっとしたら欲望の器を量るのに適したジャンルなのかもしれない。春樹を名作扱いするヤツはあのチヤホヤされるぼくこそが自分のあるべき姿、世界に対して何かを託せるに値するイマージュであり慎ましいハードボイルド好きはその価値をその慎ましさの中に見出す。センス闘争だね。オッサン的なるものとかいったけど50くらいになると春樹よりは原のほうが読めそうだよなー。いい年こいて春樹がフェイバリットですとか言われたらどうよ。でも都市生活とサブカルの問題かもだなー。あの時代はこんな感じでスカしてたよな俺らニヤニヤみたいなノスタルジーでもありか。