パンドラ

パンドラ Vol.3 (講談社BOX)

パンドラ Vol.3 (講談社BOX)

表紙がともひじゃなくなって悲しい。吉原基貴の絵はなんかキモコワイ。そういやこの人の漫画って明らかに浮いてるんだよなー。絵柄もそうだし物語も鬱屈した現実をネチっこく書いてラストで何らかの象徴に託してこれからも生きていこうみたいなのばっかだし。まあファウストパンドラ路線の雑誌でしか読んだことありませんが。
さて、実は竜騎士07の長いインタビューをちゃんと目にしたのは初めてなのだが、これがウザすぎワロタw。コミュニケーション論から始まって社会問題について分析する、何らかの視点を提示する。そしてインタビュアのJとN崎が「それはすごいですね」「全くその通り」の連呼でヨイショしまくり。むむ、この馴れ合いインタビューはなにやら既視感がと思えばファウストでの清涼院流水だったw。インタビューの中でなぜか挿入される「フフ(笑)」の紙面演出はまさしくファウスト創刊号の流水。なお現在、講談社の流水作品はほとんど絶版となっているらしい。ひどい話やで。
ひぐらし特集は中川大地の俯瞰的なレビューとゆずはらとしゆきのエッセイに目を通しておけばよいであろう。特に後者は自身のフィクション論とですます調の中二文体を巧みに操って文章芸として面白かった。対照的なこのふたつが並んでたのは良かった。藤田直哉とKEIYAは問題設定の精度、あるいは文章のもてなしが足りなかったように思う。でもこれは書き手の原作への距離感の違いかもしれない。あとは流水大賞のひとは東大修士課程でけっこう達者なイラストも自分で書いていたのがオドロキ。宇野さんのソフトスターリニズムはまたしても連載だったw。内容はダークナイト論だったのでいつもの調子でしたが。その流れで龍騎コードギアスの想像力は批評の中で黙殺されている、とアジるんだけどパンドラでそれをやってしまうと囲い込みになるよ。泣いた赤鬼系作品タコツボの。ダークナイトはアカオニ系作品の到達点!。宇野さんは「現在というリアル」に根差したリア充作品を戦略的に評価するのだけど参照項が「現在というリアル」だから書いてる評論はそこに当てはめていくだけなので基本的に読まなくていい。何を書いても結局はリアルのためのポジショントーク