バーストリンカーの最大の禁忌、リアル割れさ。
ネトゲで気に入らないことをされたのでそいつをリアルで痛めつけますというテーゼを実行することが一つの物語になりうるという世界観。川原礫の作品にはこういった恐るべき内面化がある。
あのサバンナにおいてはそれは何のルール違反でもなく、それをお互いに警戒することさえ当然の、ごく自然の状態であり、当たり前の掟の一つである。その掟を活用して展開されるプロットに対して、読者の中にはアクセルワールドを少年漫画的な燃え展開として受け入れている者もいると聞く。
子供たちだけで成立する穢れたネットワークの都市で成立する掟、それをタフに生き抜くバーストリンカーたちの神話。
もっと先へ行ってみたくはないかと、その掟を極限にまで洗練させようとする。
川原礫が想定するレベル10ではいったいどのような世界が見えるというのだ。