シャナより良いです。巻き込まれることに対するオトコノコの意地があるだけでかなり引き締まる。非日常側に足を突っ込んでいる女の子が守るべき、守りたいと思っているのが好きな男の子の日常で、それに対する男の子の意地。ヒロインをはじめ、主人公に好意を寄せる同級生とか、ベタなんだけどいちいち繊細で好印象。そこは
マサト真希の作家性かいな。それだけでポストシャナとして価値がある。ぶっちゃけ萎えるっしょ、「ユイナちゃんには、負けないんだから」とか言われたらさ。まあそこは好みの差です。現代ファンタ
ジーはおそらく
セカイ系が持ってる「彼岸」への欲望を設定として一段階日常側に引き寄せることだと思うんだけどそれは厨っぽくなりやすいというか、いかにも
ラノベ然とした世界が繰り広げられるので日常を魅力的に、「彼岸」の世界を壮大にというハードルが待っているわけで。でも1巻目としては偏差値70くらい行ってるっぽい。個人的には。あとイラストもいいです。というかビジュアルが。武器のデザインとか、抽象化された感じでありそうでなかったような。気のせいかもしれんが。
またまた現代ファンタ
ジー、便利だな、この言葉。ラ
ブコメ臭が強め。上の絶世少女とは似て非なるお話。「彼岸」への欲望より個人的な問題を重視しているようで、あとがきにもあるように「情報を食われる=孤独」が主題になってます。加害者もまた孤独であるという切り口には唸らされるものがあったのですが地
味っ子の孤独と怪物の孤独が交差するという点でちょっと地
味っ子が生贄っぽくなってしまいなんとも消化不良。ヒロインの能力、というか自分を書き換えることも微妙に物語のための生贄っぽい。爆弾魔のエピソードとかも。いや、いいんだけどね。
ラノベの優位性ってそういう部分だと思うし。でも絶世の方が優れてるとは言わないまでも洗練されてる気がしますよ。似たような設定でそれぞれ新シリーズを書いたという点で
マサト真希と
七月隆文の作家性やら志向が浮き彫りになったので
ラノベオタとしてはなかなかよろしかったと思われます。