ディストピアハードボイルドですね。

GUNSLINGER GIRL 6

GUNSLINGER GIRL 6

旬を過ぎてしまった感のあるガンスリですが、結局読まざるを得ない俺。一部で再燃したらしいのでなんでかなと思ってたら第二部的な展開が始まってたんだな。相田裕がこの作品に込める批評性って「身勝手さ」だと思うのだけれど、もちろん解決策など示されるわけもなく。その居心地の悪さが魅力になってるわけで。主体を奪われた美少女が銃をブッ放すのに引っかかる属性は持ってないけど萌えますね、正直。起こったことだけをただ積み重ねてそれに読者もキャラも思いを馳せるという意味でひたすらハードボイルド。バレエダンサーの過去話とかさ、いいよね。あれは読者だけが蓄積させられる事実だけど。条件付けってのもただその過剰さだけが特異なのであって、極めて倫理的。「人は人を愛さねばならない」のキツイバージョンなだけでさ。フラテッロは主体と客体がすれ違うしかないと。穢れないように仕組まれた穢れなき愛。ディストピアですね。