ポストイリヤ、ポストシャナ、あるいはポストFate?

円環少女 (3) 煉獄の虚神(下) (角川スニーカー文庫)

円環少女 (3) 煉獄の虚神(下) (角川スニーカー文庫)

今一番エッジなラノベじゃねーかという容疑がかかってる円環少女です。男の子が消え去った不穏なライトノベル。読んでてしんどい。どう考えてもイカレてるのに普通にいい話でした。つうかメイゼル強いよ、心が。小学生じゃねーという容疑が以下ryあんだけ強いんだから男はいらないはずで、仁×きずなエンドでいいじゃんと思ってしまったが真性サドデレっぷりにカップルが補完しあうというオタ的想像力が無効化される。
なんかね、家族ごっこの怖さ。起こってることだけなら萌えて燃えてシリアスな問いかけでってごまかされるが狂えない人間が言い訳しまくりなのでビリビリきてますよ。エヴァ後半的緊張感。小説としての物語の要請とラノベとしての要請が腰を振り合って生まれた畸形児。普通はちゃんとゴムつけてるんだけど作者がやたらそこをアピールしてくるので素直にきずなかわいいよきずなって言えない。24歳は女子高生にも女子小学生にも手を出しづらいからさ。普通はさ、現代高校生男子が主人公で学園で同級生が再演体系で血の繋がらないサドデレ小学生妹がいて異能でエージェントっぽいことしてさ。冗談だけどそのへんの批評性でエッジであると、あとは不穏なごっこの緊張感をどこに落とすかだが作者には頑張って欲しい。仁は高校生で本編みたいに大人になれない大人じゃなくFateガンツで男の子が夢想する戦いの果てを、と妄想してみたがどうなんでしょ、最近巡回先で教養小説なアレがナニしてるのでアレですよ。何者かになりたい男の子が何者にもなれないことに気づくことって考えたら消えたくなるよな、それが戦いの果てならなおさら。メリトクラシーってもはや円環関係なし。