クラシックラノリン杯

超売れっ子だからこの暴走が許されたんだろうなこれは。思いついたらとりあえず書く、無茶をする、また思いついたら書く、また無茶をする、ということを繰り返して異様なドライヴ感が。キャラと世界観のイメージだけで密度やプロットなんてどうでもいいという開き直りで作者が原稿用紙数千枚を疾走しきった傑作でした。
つうか姫が萌えて萌えて、「名前は無い、姫と呼べ」とか、もうたまりません。00年代的な萌えだと人形娘くらいしかいわゆる萌えキャラはいなかったのですが俺的には(結末含めて)姫が最高の萌えキャラでした。魔界都市という箱庭のなかで暴力とエロと愛が荒れ狂い、クライマックスは本当に愛した相手に愛されないので死にます、という正しすぎる小説。嵐が丘的な風景を伝奇に接続した現代魔界都市異能。最上級のライトノベルであると同時に極上の恋愛小説でございました。
というのはハラさんがこれは女子人気もすごかったというのと同様に腐女子感性もとい俺のオタ感性の評価なので姫が萌えるとか恋愛小説というのは同人誌にでも書いてなさいってこった。