またコードギアス

自分がいる状況を憎むのかあるいは環境を憎むのか。どちらにしろそこから抜け出したくてしょうがないしぬけだそうとするのは健全すぎるんだけど、古今東西のあらゆる世界はそれを許さない。
そういう世界に対する00年代型の自意識の発露は『デスノート』に代表されるように殺人=他殺という形で現れているというのは言うまでもないことですが、ルルーシュも月と同様に最強の殺人手段である王の力を得て大喜びしているようです。五分後の世界を書いた村上龍はかつて自殺するよりはセックス云々という本を出していたと思うのですが世界に対する憎悪の受け皿というか予防薬としてのセックスはしんどすぎるし自分が死ぬとかありえないし、だったらデスノートとか王の力を使うしかねえ。
真の意味で世界を革命する力、つまり生殺与奪の手段と行使する権利なんだけど、まあ権利があるのかないのか分からんが、それをどう扱うかかなあ。CCはイマとは微妙に違うポジションっぽいし。あらゆる罪と実存を超えてアイデンティティを満たすことはできるのだろうかってところでまた他者が出てくんだよな。
「スザク、スザク、いつだってお前が正しかったんだ。」あり得るな、これ。
殺されそうな状況で妹のことを考えるルルは相当のシスコンであるからお兄ちゃんアニメとしても要チェックや。折笠もかなりの瞬発力だしな。
あらゆる意味で中途半端だったデスノートを下敷きに竹田的な(そこいらのワナビでも考えられるレベルの世界観なのにアニオタは気になるのな)思想を漏れさせながらビルドゥングスロマンを期待。それにしてもラディカルでもなんでもない竹田にあれだけ拒否反応を示す2ちゃんのアニオタの政治アレルギーっぷりは異常だな。
ついき
殺人の主体性に階級的な構造を取り入れたように見えるのはすごく批評的だと思います。王の力からブリタニアの11虐殺っぷりまで。アニメ的ジェノサイドとデスノートを遥かに上回る殺人力の王の力を使うルルーシュ。それに恐れることもせずに狂喜してるという物語のスピード感も含め1話はやっぱすごいと。