カラットはキャラット

ブラバン

ブラバン

ヤスミンが本気で直木賞を獲りにきた!!
俺の患っているビョーキに対しては何の効果もない小説だったのだがそんな読書の仕方をするドキュンでも傑作と認めるしかないほどの傑作。
ライトなノベル、ヘヴィなノベル、スウィートなノベル、ビターなノベル。前者同士、後者同士でくっつきやすいという偏見のかたまりなのは俺だけでいいとして、このライトでビターな小説を書いて、なおかつ読み物としてもおもしろいという離れ技をかましてくれたのは新鮮だったよ。小説の大改造ビフォアアフターというか匠の技というか、真の意味で小説らしい小説。雄々しくもなければ女々しくもない。美しくもなければ醜くもない。創作行為が持つ欺瞞を取っ払ったあとにまだ何か書かれたり読まれたりするときに書かれたり読まれたりするような小説。
つまりはファンタジーってことなんだけど、まさかヤスミンでこの種類のファンタジー読書するとは思わなかったぜ。