冲方丁

富士見の発売日無視したり早川のチラシ(自分専用)入れたりしてもはやラノベ界の暴君と化しつつある冲方丁の新シリーズ。ヴェロシティに引き続きエルロイ/佐々田雅子の系譜に連なるブレイクコアな文体で設定をガンスリ攻殻SACから借りてきてポップに変奏してます。男の子置いてきぼり。くっそー、最近はどいつもこいつも女の子ばっかり優遇しやがって、産めないからってなめんじゃねーぞ。ポップではあるが悪趣味でもある。身体欠損のモチーフおよびそれに寄りかかる自我の疾走、迷走。いわば二重のトラウマによる現状肯定が作品の中で形成されていてキャラクターの自覚症状が変化するということはあっても疎外感は癒されることは無い。というのは別に珍しくはないはずだが、この閉塞感を突き破りたいという衝動はどうやら一部の才能たちの共通意識のようで、零式やらSCAPE-GODやらと同様に、ギアスを持たない俺に向けて「蜂起せよ」と煽ってくれやがります。
「なんか、世界とか救いてえ。」
スプライトの方のメインヒロイン?鳳(紫色の子ね)のお嬢っぷりがカワイイ。はいむらきよたかのイラストもグッジョブ。