Dir en grey

THE MARROW OF A BONE(初回生産限定盤)

THE MARROW OF A BONE(初回生産限定盤)

暗すぎる。救いが無い。再生を拒否する破壊。さっさと世界を終わらせよう。
このバンドの目的がロック史に残るような作品を残すことではなくて、ロックをさっさと終わらせることにあるのだとしたらこれである程度のミッションはこなせるだろうというようなアルバム。思いっきり外人好みのミックスだけは気に入らんが。
えーと、1曲目とラストの曲の配置が良かったんだと思います。monoばりの典型的な終末論の調子で歌われる壮大なバラードが終わりを予感させて、続くニューメタスクリーモ寄りの曲はまあこいつらじゃなくてもいいっていうのはあるけど所詮ロックの身体性をまだかろうじて保っているかにみえるそれらの音楽性は強靭ではあるけど貧相な慕情だと思っているので本家のすごい奴らはこれよりもすごいんだろうけどあんま興味ない。具体化する破壊衝動は京の変幻自在のキモいヴォーカリゼーションによってさらに膨張。今まで自身の武器でもあったジャパニーズビジュアル系なメロとヘヴィネスの二刀流は皆無。終わっていくことの不安と歓喜に満ちた密室に閉じ込められ、その窒息性をものともせずに破滅願望を完遂させようとするように展開していく。それにしてもこのアポカリプスっぷり、ノリノリである。俺が。最後はシングルの再録で終わらない世界の煮え切らなさにブチ切れるように薄汚い激情を撒き散らしてとりあえずは終了。もうロックは廃墟で生まれて、廃墟で死ぬだけ。瓦礫の山のてっぺんで死んでいきたい人に(生きたい人に?)。死ぬほど現実的なバンド。これで解散してもいいよ。