古川日出男

「『見えない大学』付属図書館」
半年くらい前に載ってた古川版大河ノベルの続編というか欠片の一つというか。欠片といっても「千々に撒かれたパズルのピース どうか 優しく配列されますように――」みたいに残酷なテキストではない。ガルシア・マルケス司馬遼太郎の快楽を肯定し、さらにロケンローベイベーのテンションなので批評性は無い。馬鹿っぽいというかダサカッコイイというか。まあ、巨編のうちの二百枚だし、ここではむしろモザイクカケラとして読むのがよろし。モザイク大河ノベル
前作『狗塚らいてうによる「おばあちゃんの歴史」』では断片的にしか採用されていなかった歴史をファックしながら現代文学異能を体現させようという試みの中で殺し名第八位狗塚一族の出自が語られる。半分嘘。しかし本気モードのこの人はやっぱすごいわ。ディテールばっかで中身ゼロに等しいのになんでこんなにおもしろく読めるんだろ。