めろん買い

S-Fマガジン 2008年 02月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2008年 02月号 [雑誌]

めろんの新作シリーズ第一作『アリスの心臓』がえらく良かったです。普通に傑作やん。
5次元とエロ本のインナースペースオペラらしい。神へのアプローチという伝統的なテーマというかむしろ現代版『神狩り』。神が神じゃなくなる話。山田正紀は30年前に怒りまくって狩ってたけどめろんはこの話じゃあんまり怒ってない。『零式』ではパンキッシュな衝動でああいう話を書いたけどいまんとこはユーモラスに神狩り。樺山三英の『一九八四年』もそのまま読み進めたんだけどめろんのSFマインドが炸裂した直後だとちょい硬く感じた。オーウェルとガウディを借りた幻想小説というデビュー作とやってること変わってねえ。人を変えただけだ。人文系からネタを引っ張るというだけじゃないけど微妙に垢抜けない野阿梓ね。ネタと設計図をまず描いてそこに当てはまるように読めてしまうからちょっと退屈だった。シリーズなんでこれからもっと脱線してくれれば。他はまだ読んでない。あ、宇野さんのクリスマスプレゼントは読んだ。相変わらずグーとチョキとパーな批評でつまんなかったです。