ラノベ

されど罪人は竜と踊る 3~Silverdawn Goldendusk~ (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 3~Silverdawn Goldendusk~ (ガガガ文庫)

ウジウジハードボイルドノワールの新作長編。古典の戯曲とかでよくある感じの話とネオリベ関連の問題をテロ屋の陰謀とともに語りながら意味ありげなことを意味なさげに書くいつもの浅井さん。最後の事件がある程度収拾してから黒幕が現れて「今回の事件は実はこうだったんだニヤリ」「見抜いていたぜニヤリ」というオチもいつもとおんなじ。やること分かってるけど笑ってしまうというダチョウ倶楽部的な領域にまで達しつつある。なんかやたら物語のスケールがデカくなっていてほとんどFF。下巻の戦闘シーンとかFF7アドベントチルドレンの絵が浮かんできて、超人バトルやりつつ裏ではポリティカルエコノミカルなのでものすごい異形感。楽しすぎる。そして相変わらずオブセッションは全く描けてない。回収されるためだけにしか用意できない。でもこういう無駄な話を無駄に壮大に描けるのはこの人だけという気もする。イヤな気分だけ残して「なんだったんだよ今までの話はw。」という読後感はあんまり好きじゃないけどノワールってそういうもんか。もう一皮むけてくれたらなー。
Rating 8.9/10