ウジウジハードボイルド
ノワールの新作長編。古典の戯曲とかでよくある感じの話と
ネオリベ関連の問題をテロ屋の陰謀とともに語りながら意味ありげなことを意味なさげに書くいつもの浅井さん。最後の事件がある程度収拾してから黒幕が現れて「今回の事件は実はこうだったんだニヤリ」「見抜いていたぜニヤリ」というオチもいつもとおんなじ。やること分かってるけど笑ってしまうという
ダチョウ倶楽部的な領域にまで達しつつある。なんかやたら物語のスケールがデカくなっていてほとんどFF。下巻の戦闘シーンとか
FF7の
アドベントチルドレンの絵が浮かんできて、超人バトルやりつつ裏ではポリティカルエコノミカルなのでものすごい異形感。楽しすぎる。そして相変わらず
オブセッションは全く描けてない。回収されるためだけにしか用意できない。でもこういう無駄な話を無駄に壮大に描けるのはこの人だけという気もする。イヤな気分だけ残して「なんだったんだよ今までの話はw。」という読後感はあんまり好きじゃないけど
ノワールってそういうもんか。もう一皮むけてくれたらなー。
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