伏見区向島という、京都の中でもあまり治安のよろしくない地域から出てきたラップですが、ダークフレイムマスターの住む団地がアナーキーのPVを思い起こさせました。もちろんアニメを作るときにこれが影響を与えるはずもないけれど、まさかけいおんに対する裕福な少女のファンタジーという卑屈な悪口に対する反動というわけでもないでしょう。京都アニメーションにしてはトラッシュ感がそこはかとなく感じられる家庭環境と画面になっているのが連想させた原因かもしれません。
団地に対するイマージュの解像度を京都アニメーションのリアル寄せで表現したことによって少し印象が変わってきたんですが、それとも原作(?)の小説では団地ネタとかがあったりするんだろうか。姉妹が夜の公園で乱闘はじめるのって荒れた地域の団地としてけっこうリアリティあるかもしれないw 
いまのところ中二病でも恋がしたいのではなくて団地に住んでても恋がしたい(住人も学校も荒れてなくて住みやすい環境で)になっているね。作劇においては主人公はダークフレイムマスターだからこそ女の子とわいわい出来ていて、恥ずかしい過去の封印において戦略的に恋愛などを楽しもうとしているわけではなく、ダークフレイムマスターの過去をもっているからこそ物語の中で特権性を与えられているので、かなり甘やかされた優しい青春アニメになっているなあと。でも福山潤のおかげでその特権性が嫌味にならないし、団地ファンタジーとしてかなり楽しめている。京都アニメーションはクラスメイトにも細かい設定をつけたりするので、その中でヒップホップ好きな男子とかいたらいいなと。田中ロミオのアレに似ていることがちょっとした話題のようだけど、ワイドショー文学とかがよく採用するような、事件の構造とその実態の暴露における臨床的なものとは違うアプローチとしてあってもいいんじゃないかと思います。内面を追い詰めることをしない優しい眼差しとして表現されたアニメとかが……。