交響詩篇エウレカセブン

ごめん、素で泣いた。感動というより嬉し泣き。冒頭のモノローグで誰がしゃべってんだ?と思い、数秒後、鈍めの絶対音感小清水亜美の声を感知した時に俺の敗北は決まっていたのかもしれない。確かに超展開寸前の唐突さだった、しかし俺のキャラクター消費二次創作志向がそれに突っ込むことを許さない。
フィクションにおけるキャラクターとはおそらくその全てが天使的な存在であり、見られることによって初めてその存在が具現化される。言い換えれば俺らは見ることによって天使を地上に落とすのである。この関係性が一般的なキャラクター消費のはずだが、他方で補完と妄想によって成立する消費の仕方がある。個々の欲望の具現となる捩れた幸福のために発明されたアレな消費。いわゆる二次創作。地上に落ちた天使をさらに地獄へと落とすアレ。アネモネというキャラの改変、ゲロ甘な萌え描写、ひたすら二次創作的だったにも関わらずなぜこんなにもハッパーなのか。完成度のおかげなんて言ったら、そんなの嘘に決まってる。それは俺が小清水オタだからに決まってる。
でもモノローグって萌えるよな、手の届かなさ具合が。「なんかもう、あーあ」と誰に触れられることもなく漂う語りがクライマックスでドーンと来て天使のモノローグが破裂して好き好き大好き超愛してるが世界中に降り注ぐってこれどこの泥棒日記だよ。
うん、まあなんというかキャラクター消費におけるアニメっぽい快楽が嬉しかったの。翼を切り裂いたのは自分たちなのに人造の翼を与えてまで空に還そうとしちゃうのはオタの欲望ですか。天使の異界往復譚?、まさかね。
エヴァ劇場版のハッピーエンドだったら的幸福感だが巨大綾波ことジエンドはふたりをかばって半身もげた。「ずっと一緒だったのね、ママ。」「でも好きなオトコノコができちゃったからお腹の中から出て行きます。」「おいきなさい。」ジエンドのオカンっぷりに全米が泣いた