サブカルサブカルゥ
- 作者: 古屋兎丸,東京グランギニョル「ライチ光クラブ」
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 単行本
- 購入: 33人 クリック: 205回
- この商品を含むブログ (139件) を見る
SFマガジンで福井健太だっけ?がものすごい勢いで絶賛してたのでたまにはオタ寄り以外の漫画も読んでみるかというので買ってしまいました。これがまあなんとも言いがたい漫画でモニョる。
物語としては整合性を無視してガジェットだけをガチガチに高めて初期衝動の赴くまま書き殴ったような話で大好きな系統なんだが登場人物の無垢さが暗い暗い。世界が閉じまくり。漫画の快楽だけで読むとひたすら気持ちいいけどひたすら幼く病んでるので息苦しい。
「世界を革命する力を!」とは言ってないのだが「世界は醜い」という妄想にとりつかれてるらしい少年たちが廃墟の工場(聖域!)で繰り広げる崩壊劇。最果てのイマみたいに目指すべき自己像への渇望ではなく世界への嫌悪のみで革命を起こそうとするパンキッシュな漫画。ライチを燃料にするロボットを作って美少女を誘拐してくるだけの革命、そのクライマックスはあまりに美しい。病んだ美学で構成される閉じた問題作。