CROSS†CHANNEL

美希りんエンドまでやったわけだが、なんか、もう、精神衛生上よろしくない。この強度なら名作扱いされるのはまあ妥当だと思いますがとことん病んでるなあ。これをどこに着地させるんだろう。普通でありたい太一はちょっとロマンチストすぎて過剰なまでに普通さを求めすぎていて、そのあがきを見て楽しんでる自分がイヤ。でも正直泣くよね。こんな頑張り屋さんを見てしまうと。
壊れた人間と書くと今は西尾的なものを連想いたしますがループもののギャルゲーであるからライトノベル的なコードで処理しきれずにどうしたって文学的にツンツンした肌触りになってしまうのかしら。自身を醜い化け物として定義しながらもなお世界に立ち向かうという太宰とか三島みたいな滑稽なくらいの文学っぽさ。あれ?2人とも自殺じゃねえか。いやな例えしちまったぜ。しかも結論がダメな2人だし。
やればやるほどイマに似てるっつーか「普通」にこだわる太一と「聖域」にこだわる忍に対してそんな必死こいてるからダメになるんちゃうんかと突っ込みたくなります。普通にこだわるのがもはや普通じゃないという言葉遊びにすぎないかもしれないが。8人だけの世界というのがまたずるい。狂うしかない共同体じゃあ自意識も狂うしさ、そんな状況であがかせてノートばっかり増えていくなんて、ロミオは明らかにS。
怪物に成長と救済をってところで太一はどんな怪物なんですか?と。我の中ではロミオが太一に付した虚無はハルキムラカミのそれに近い。ハルキワールドの主人公のそれではなく彼が世界の敵として配置する綿谷ノボルとかああいう不穏な虚無。ハルキは世界の虚無の周りでやれやれ言ってるばっかなのでカスというのは置いといて。むしろ虚無すら利用して文学的な俺様って素敵って言いたげなのでさらにカスというのも置いといて。世界の敵なんだけど8人だけのセカイの敵でもあるんだよな。まだまだループし続けてるのでどんなオチか分からんが。ともあれ、カリカチュアライズされた世界の終わりで「生きてる人、いますか?」と世界に呼びかけ、そして自分たちに問いかける。傑作とか駄作とかどーでもいいわと言いたくなる青春ゲーム。たまらん。シンクロ率高くてプレイするのつらいけど。