堪能しました。

ぼくと魔女式アポカリプス〈2〉Cradle Elves Type (電撃文庫)

ぼくと魔女式アポカリプス〈2〉Cradle Elves Type (電撃文庫)

「停滞」と「継承」のお話。
やっぱ作者スゴイな。鬼才。書いてる話の全体像は考えてるけど、次の話のことは全然考えない。シチュエーション萌えで実際すごくいい感じで書いてしまう。ラノベにおける耽美主義ってこういうことかしらん。
2巻の印象としては笠井潔ミーツ佐藤亜紀という出会ってはならない二人が出会ってしまったらこういうの書くんじゃないかと。ラノベの資質とか志向のレベルの話だけどな。1シーン1シーンにきっちりこだわりながらシチュエーション萌えの本領発揮で普通にスバラシスなとこに持っていくんだよな。んで、ある程度偏った想像力に対する感覚が浸透してきたとこでそれぞれの角度から色々なイメージを汲みだしていってそこから生まれたキャラクターがそれぞれ同士張り合う(張り合っているように書かれる)。なんか矢吹カケルみたいな台詞言ったりしてるし。関係性における化学反応をガッツリ描きながら1巻よりもさらに閉塞感は増していて(学園さえラノベチックな役割の性質変化を余儀なくされている)非常にスリリング。スラッシュメタルな文体も2巻になって世界観の説明を省いて棘が抜けるかと思いきやまったくテンションが落ちていない。そしてこの少年性の陶酔と憐憫とショボさ。最高やん。