これはすごい

天帝のはしたなき果実 (講談社ノベルス)

天帝のはしたなき果実 (講談社ノベルス)

俺がこんな分厚いノベルスを1日で読んでしまうなんて、自分でも信じられません。面白すぎるよ。作者の経歴が気になる。賛否両論な話題作ってことで手を出してみたんだがこんなにすごいとは。最初から最後まで作品にピエロを演じさせた作者に拍手。これを読んで軽薄で恥知らずだと思う人もいるだろうけど、このピエロに自分から騙されない手はないと思う。本格ミステリの作為性を嘲笑うかのような圧倒的なわざとらしさと狙ったキャラ造形、クールだ。大仰な様式美が振りまく逆説的なポップさとでも言うのか、この小説が撒き散らす欲望には何か新しい感覚を手にしたような気にさせてくれる。=序盤で「ゴミ」と投げることは簡単だったがコストがかかってるので楽しむことにしたらアラ不思議、そこには新しい小説感覚が。
お婆ちゃんは言っていた「どんな小説も目的とすることなかれ」と。快楽さえも対象化するのだと。俺は意味が分からなかった。きっとお婆ちゃんも適当こいてたんだろう。とりあえず、作者はどんな意図で、この幼稚で独り善がりな青春小説を書いたのか、それが気になって仕方がない。インタビューとかないのか。
参考文献見ると、なんか天然っぽいんだよなw
追記 萌えもあるぜよ。(追記するほどのことか?)(でもいまどき萌えがないなんて重ね撮りしまくった10年選手のVHSみたいなもんじゃね?)ワケワカランな。