読書メーター的な何か

と言いつつ読んだ本全部の感想を書いていくのは面倒なので生活のリズムに暇ができたら垂れ流すくらいのものです。一応偉そうに点数つけますが最後まで読んだだけで50点くらいつけるんでそれプラス、テーマ性だとか語りの気に入り具合みたいなもんと思ってください。点数というのは楽なモンで文章を一切書かないで商品リンクと点数だけにしたろかと一瞬思ったんですがそれだと無愛想すぎるので、そこはまあ。そういうのも継続してこそ意味が出るんですけどねw点数の目安は90点あれば年間ベスト10、80点でベスト30、70点で損はしなかった、60点でイマイチ、50点で最後まで読んだ。さらにぶっちゃけるとワナビマインドで先行作品に目を通しておこうという流れです。

されど罪人は竜と踊る 7 (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 7 (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 8 (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 8 (ガガガ文庫)

スニーカー版は最強の鬱ラノベだったけど今回はあんまりダメージを受けませんでした。まあネタバレつーかオチは知っているので当然ですが、それでもアナピヤ編は00年代半ばの時代性みたいなものが強かったのかもしれないなあと今回読んで思った。しかしいい加減過去の事件の真相を書けと、次の話でそこが書かれないようなら新刊で買うのはもう止めるwそれでもガユスとクエロで鬱陶しい恋愛観とか人間観を聞かされそうな気がするけどなw今回のラストでガユスとジヴが別れるシーンも過去の真相を知らない読者は完全に置いてけぼりになるしかないしさ、もういいだろ?こじらせた語りは。あとは陰謀と絶望の大殺界に突入してください。編集さんお願いします。
スニーカー時代は中二アンテナにビンビンきたんだけどなー。今回はコケオドシとこじらせに雁字搦めになってる印象だわ。読み応えはあるんだけど自分の今のモードには合いませんでした。私は元々レメディウス編とかウォルロット編の密度が高くて展開が錯綜する陰謀活劇が好きなので、作者が自分のこじらせを上手い具合に消化しつつウォルロット編で見せた世界観設定と邪気眼描写なんかを作中で両立できればすごいもんができるんじゃないかと思うんですがどうなんでしょ。ガガガで新生して初めて書いたウォルロット編でヒロインを生っぽく書いていたのに結局今回で「別れるしかなかった俺たちは人間として初めて対等になった」ってコラwアナピヤ編の結論をどうにかするためにわざわざガガガで新装版出してまでやってるんじゃなかったのかよ。安西先生の「全く成長していない」状態ですよ。そしてアナピヤ編で新しく出てきたのは「繰り返されたセカイ」でアチャー。次は枚数半分でいいからギギナ一人称でいいよwあと挿絵がほとんど下書き状態。78点。
カンピオーネ! 5 剣の巫女 (スーパーダッシュ文庫)

カンピオーネ! 5 剣の巫女 (スーパーダッシュ文庫)

「あっ、いい、いいよ。そう、そこがいいの。とっても気持ちいいの。らめ、らめえ、そんなにされるとバカになっちゃう、evatakaはバカになっちゃうゥゥゥゥ」
ふぅ。
なんだこの80点っぷりは。おまいらいい年こいてこんな80点読んでて恥ずかしくないのかお?(キリッ
Red Moon(初回生産限定盤)(DVD付)

Red Moon(初回生産限定盤)(DVD付)

オペラティックな壮大さ、民族音楽っぽい中世的な雰囲気、スリリングなデジタルトランスに馴染みやすい音作りと華麗なメロディーメイク、ヒロイックかつ悲壮感の漂う歌詞。でも最後は日常に帰還するwイマドキのオタク音楽の王道だからこそセンスが問われるけど、どこを切り取ってもハイセンス。大仰に煽ってくる楽曲でも上品に聞こえるのはこのグループならでは。去年の1stは半分が「空の境界」の曲だったから縛りがキツかったと思うんだけど、今回はタイアップ曲があるにせよ自由度の高まった中でどんな方向に行くのか楽しみだったのですが、良い意味でタガが外れてて大満足。攻撃的かつ高品質なポップスとして聞ける体裁を取りながらガンガン攻めてきます。1stが「空の境界」の主役二人のように草食系だとすれば今回は肉食寄り、前回よりもテンションが高い曲が多い中、もちろんバラードもしっかり聞かせる。1stは現代学園異能的な叙情性(どんな叙情だよw、まあ半分がらっきょ曲だったからその流れで少年性とか少女性の生き急ぐような儚いイメージ)が強かったけど今回はそっちよりSF/FT的なジャンクっぽさの方が強調されていて、そういう作風だと曲単位のカロリーが高くて聞いてる方はシンドイと感じる場合が多いのだけど全曲通して聞いても緩急が効いてるし曲ごとでも飽きないしアレンジの洗練は言わずもがな。貫禄の92点。
さよならピアノソナタ〈2〉 (電撃文庫)

さよならピアノソナタ〈2〉 (電撃文庫)

1巻は昔読んだ。82点くらいだったような記憶w。女の子はかわいい。それは認めよう。魅力的な恋愛小説なんだけど、まだどこかに欺瞞を感じてしまう。そして分かっていたことだがダ・ヴィンチのプラチナ本ラノベエミュレーイション。それにしてもこのシリーズ、表紙が全部真冬というのは他の二人に対してあまりにあまりじゃないか。いくらハーレムモテモテ鈍感だからって添え物じゃねーぞ。甘やかされすぎだな。68点。スニーカー厨を目指しているので読まないと。ちなみに僕はラノベ評論ブームのせいで「アニメ化されるようなラノベはヌルいので読みません(キリッ、」な人だったんですよ。で、最近はリアルタイムからドロップアウトしつつあるんで100円で漁ってます。不況ですね。
この神父みたいに普段はとぼけてるけど実はトンデモが主人公ってどのへんがハシリになるんでしょうか。ガンパレ系の命名よりは気にならないけど、まああっちはセンソウ系とかでいいんじゃないでしょうか。シリーズ初っ端から「嘆きの星」とかいう衛星兵器が出てきて楽しい。やってることは潜入捜査っつーか『パンプキン・シザーズ』の簡略版みたいな話(戦争が終わった後の一つの街とそこに住む市民の変化)で異種族間のコミュニケーションの問題提議と復讐と赦しでオチがつくんだけどこれは現代ラノベっぽくないなあと思った。さすが10年前、娯楽映画っぽい。基本、教条的っつーかヒロインを導くようなことやってるもんなあ。ハードボイルド経由の女への説教とも言えるけど、まあこういう世界観だけにそのへんはマイルド。72点。短編集。長編より数年前の時系列らしい。キャラ紹介の要素が強い。作中の冷戦構造の崩壊を目論む謎の集団に翻弄される人たち。復讐ネタ多いなw作者のテーマのひとつなのだろう。復讐する権利を持つ被害者が殺さないことをいつも選ぶのだけどその加害者と被害者の間に立つのが執行官たちでバトル・オペラなアクションにするためにテーマにブレがあるのだけどそのテクストのゆらぎ(オチのついてなさ)が現代ライトノベルっぽいところなのかもなあ。執行官は異邦人なんだけど主人公で、過去に秘密があって、という日常への(作者の)無関心ぶりも一考すべきか、荒廃した世界のファンタジーにそんなもんいるのかだけど。あとツンデレちゃんも出てきたw短編集なんだけどこっちの方が1巻っぽい。76点。
GENEZ-1  ジーンズ (富士見ファンタジア文庫)

GENEZ-1 ジーンズ (富士見ファンタジア文庫)

PMCをポップにラノベライズ。キャラ立ちもしっかりしているし趣味性が強く出た細部も説得力を与えているが主人公が度々言及する戦争における現代人批判みたいなのはいらないんじゃないかなw読みながらそういう箇所のたびに戸惑う。第三次世界大戦というフレーズがでてくるのだけど某禁書ほど違和感はなかった、というのも主人公たちは仕事として傭兵なんてことをやっているからで特権性みたいなものは希薄になっている。まあそこは作者の近視眼的な語りのせいだけど、確かに現実と地続きの世界観で高校生が傭兵とかやると上から目線で現代人批判したくなるかもねw普通はそういうのは世界精神型の悪役が作劇に添う形で提示したりするものだけど、そのへんはちょっとバランス悪いかな。逆に言えば主人公に世界精神型悪役のメンタリティを持たせて描いていると言えなくもない。「俺が世界の真実を見せつけてやんよ」とか思いながら無邪気な正義として傭兵やってます的な。まあ基本はボンクラエンタメなんでそっちにふりきることはないでしょう。そしてヒロイン拷問シーンがひどいw能力がアレだからってそんな。あとがきでも言及してる007でも拷問あるけどさあ。浅井ラボのグロはなんとも思わないのにwイラストの刷り込みかな。76点。なんでコレ読んだのって?ラ板大賞2002年上半期で5票19位だったからです(キリッ。ちなみに同じ5票とった作品はクビキリサイクルと電詞都市DT(デトロイト)〈上〉。しかしこれはけっこうキツかったなw現代特殊部隊異能、設定が先走ってるのは読者に恥ずかしさを与えるw作品の中に没入させるための語りが成功しないと何をやってもスベってしまうのだな。現代モノは突っ込まれやすいからなあ。一般人は知らない日常の裏側か一般人にもその設定が浸透しているのか、それとも一般人をなかったことにするか。58点。新装版の表紙は恭子かよw余計ダメージ受けるわ。この作者はことあるごとに「エンタメなんで」的な発言をしている。エンタメなんで読者をもてなすためにカッコ良くソースケは決断してくれちゃったよ。とんでもねー決断主義者だよこいつは。ラブコメごときではエンターテインメンツを止められない!「俺がかっこいい主人公像を提示してやんよ」ちなみにラ板大賞2003年上半期、21位9票。涼宮ハルヒの憂鬱、Missing8生贄の物語と同率です。
上のジーンズなんかは親兄弟幼なじみ学校の共同体までPMCに組み込まれているわけですが、そのあたりは時勢として汲んでおくべきなのかな。豪華客船でのドンパチはおもしろかったし余裕のある語りも心地よい。過不足なしの74点(テッサがふられていなければ84点)(え?