中島河太郎のマルタの鷹の解説によるとマルタの鷹を読んだ山田風太郎 江戸川乱歩はこう書いている。

ハメットの最上作といわれる『マルタの鷹』は、正直に言うと、退屈しながら、無理に読み終わったようなものであった。第一、宝物の奪い合いという大筋が気にくわないし、利己と術策のかたまりみたいな悪人どもの互いの腹の探り合いに終始しているこの小説は、私にはどうにも興味が持てなかった。

ハードボイルドはデスゲーム系聖杯戦争系サバンナ系だけではなく部活系メタハーレム系腹の探り合い系ラブコメも射程に入ってたことを確認。もうラノベはハードボイルドかそうじゃないかに分かれるのではないか。近代的な人間像は否応無くそのように振舞うしかないのであろうか。さらにそこでどのように自分と他者に対する眼差しを向けることができるのであろうか。

まあそんなことは関係なく、劣等生の1巻をパラ見するん。起きること全てに対して上から目線で評価するハードボイルド由来の批評的なエクリチュールもそうだが、地の文にときどき挿入される(   )の中身がキメフレーズぽくておもしろい。のうりんより一段下がるくらいの笑いは取れてる。再読に値する小説である。

(修正)
メンゴメンゴ、山田風太郎じゃなくて江戸川乱歩だった。なぜ間違えてしまったのかしら。引用部分書くときに実際に文庫見ながら書いたのに一行前の江戸川乱歩という名前を山田風太郎にしてしまうという謎の捏造をかましてしまいました。お詫びして訂正します。