第19回電撃小説大賞銀賞

よーし、どんなんが異能バトルモノのデビュウ水準なんやと敵情視察。まあ特に参考にはならない。
そもそも、電撃小説大賞の応募要項って42×34の130枚以内なので、まあ単純に計算して文庫本260ページで口絵挿絵だのなんだので20ページ増えて280ページくらいでいいわけですよ。でもこれは本編だけで340ページもあるの。実質160枚くらいになってるわけで、30枚分増量したものが「受賞作」なわけよ。(謎口調) こういうのやめてほしいw 
担当したのが最強カリスマ編集者の三木ということなので、「ユー、僕の指示したところ30枚分60ページくらい書き足しなよ」(誰?) って言われて「ははー」っていうビジョンがまず浮かびましたね。しかも内容が上下黒ファッションのキリトみたいなクール系主人公が高貴な家柄からドロップアウトしていても自らの才能オンリーでサバイブしているタイプなおかつ設定垂れ流し系の魔法科高校フォロワーみたいだったので余計にそう思ったw  しかしたとえば受賞作が280ページで出版されて、60ページ分丸々書き直しがあったら、それは読者には分からないからべつに応募原稿から60ページ分の超過があるものを受賞作として出しても文句言う筋合いじゃないのかもしれないけどな。

というようなことを、半分くらい読んで、なんかダラダラしてて展開おっせえってなってなんとなくあとがきに目をとおした段階で思ったので、インターネット日記マンマインドの迸りのまま書きました。

内容は、べつにどうでもいいかなあ。少なくとも、ワナビ目線を失くして読んでも、「色々あって機嫌の悪くなった主人公の相棒役のメインのヒロインがいて、サブヒロインがいて、なんか事件があって、それらを解決するバトルモノ」はさすがにもういいかってなるので、うんこれは若者向けやなって思うくらい。ていうか三木担当作品のメソッドがだいたいそのまま入ってる。ケモナーヒロインがわりと珍しいってくらい。中盤まで読んで、冒頭の事件で拾った女の子の人形(これがヒロインとの出会いじゃないのが斬新!)に相棒ヒロイン(ちなみにこいつ初出は完全な狼形態のメス。なんかよく分からない魔法的存在)が自分の魂を入れ替えるのとかいちいちめんどくさいことやってるなあ、これは好意的にSF的思索かましたほうがいいのかな?って思ったり、学校にいったら特に必然性もなく「私のペットと私の身体と魂を融合してください」っていう依頼人の前で設定の講習会が始まったりして、さすが5000人の中から生き残っただけあるわって思ったり、そのくらいのもんだ。魔法の魂融合が失敗して責任とってケモナー少女と同居して狼のメスが嫉妬してやれやれ系になる謎の世界観。なんか設定では色々あるらしい。で、自分が狼なので冒頭で手に入れ人形タイプの入れ物((冒頭の事件はこのためか! 伏線すごい!)に魂を入れ替えて三角関係ワッフルワッフルみたいなのだから)でも主人公はどっか超然としていて、もうほんとただのラノベなのでうれしくなりましたw(逆説)
インターネット日記マンの日記は信用できない語り手ですからね。キャラの描写されていない内面を読み込んでグヘるのって気持ちええやろ?
許してやったらどうや!(辻本茂雄